偉大さ

　部活でいろいろ困ってます。
　女子ばかりの部で僕はその雰囲気に耐えられません。
　入部したてでなんですが転部したい気持ちでいっぱいです。

　思い返すと中学時代も転部を懸命に考えていました。
　夏休み中に必死で悩んで、泣いて、反抗して……。
　腹を壊してストレス性のものだということも分かりました。
　本気でいなくなってしまおうかとも思いました。
　……結局、僕は後味悪く転部しました。

　迎え入れてくれた部には、後の親友がいました。
　特殊学級の生徒とともにやる部ではありましたが、その時は心から安らげました。
　僕を出迎えてくれるその雰囲気が本当に優しさそのものでした。
　僕はそこで、立派に引退しました。

　今は彼とは別の高校で、連絡を取ることも非常に少ないです。
　そこで初めて彼の偉大さがわかりました。
　正直言って彼はバカです。
　天然ボケとかそんなレベルを超越している存在です。
　鬱陶しくてひどい言葉を言って、何度も傷つけた。
　こいつなんて消えればいいとも思った。
　それでも、彼は僕を支えてくれた立派な存在です。
　今、彼のいない世界で生きている僕は彼の偉大さを改めて思い知らされました。